免疫介在性溶血性貧血ぐぐる


免疫介在性溶血性貧血は、命に係わる大変恐ろしい病気です。
免疫機能が自分の赤血球を攻撃・破壊し、貧血となり、最悪死に至るという病気です。
原因不明の難病であり、再発率が非常に高いため、症状が治まっても完治と言わず「寛解(カンカイ)」と言うそうです。
治療は免疫機能を抑える投薬となりますが、薬の効果が出るまでにタイムラグが発生します。
そのため、早期発見・早期治療が大切です。
貧血が酷ければ輸血が必要となる事もありますが、輸血の前には充分な検査が必要ですし、それでも副作用(合併症等)のリスクもあり安全とは言えません。
ですが、貧血が進めば確実に死に至るため、命とリスクを天秤にかけての選択となります。
この病気にかかった子は(免疫疾患がある子は)、狂犬病の予防注射やワクチン等、免疫を刺激するものは受けられなくなりますので要注意です。
珍しい病気でも無いようですので、日ごろから愛犬の舌や歯茎や耳の色等を見て、チェックをする習慣を付けておくと良いと思います。


モモは無事寛解し、今は大丈夫です!

発症したのは2013年2月。
ある日のモモは、犬用ビスケットをあげても喜んで食付かず、悲しい目をして私を見つめ返して来ました。
非常に食欲旺盛なモモがこのような態度を取ることは通常は有りません。
過去にこんな態度をしたのは、ペディグリーチャムをあげた時だけでした。
普段はお菓子の袋をガサガサいわせただけでも大騒ぎになります。
食欲余って勢いが付き過ぎ、私の手も一緒に食べてしまうことも多い中、食べ物を前に飛びついて来ないという異常事態は、具合でも悪くない限り有るはずがありません。

あまり具合が悪そうには見えませんでしたが、念のため別の物ではどうかと減塩煮干しをあげてみますと、それは喜んで私の指ごと食べてくれました。
ですが、もう一度あげてみてもビスケットだと喜びません。
最終的には食べるのですが、たいした嬉しくも無さそうにモソモソと食べるのです。
いつもは喜んで食べる無添加の犬用ビスケットなんですけれど…。
これは変だな、口に何か出来ているのかなと思い見てみましたが、特に何もありませんでした。
もし口の中に異常があれば、煮干しもご飯も食べられないでしょうが。
口の中を見た時に何だか舌が白い気がしましたが、普段から気にして見たことが無かったので、「こんなものだっただろうか…。」とあまり気にせず流してしまいました。
が、これは貧血の症状で見逃してはならないものであり、私とした事が大失態です。
私自身、貧血になどなった事がなく、ましてや犬が貧血になるなどという概念や予備知識が全く無かったため、綺麗に見落としてしまいました。
今後のためにもこれは大反省しなければいけません。
モモはしっかりご飯を食べていましたし、元気もあり散歩もしていました。
私は全く貧血というものに結び付けることが出来ませんでした。

だけども何かがおかしいのは確かでしょうから、病気を疑い単語に創意工夫をし一生懸命ググってみました。
が、なにせ「ビスケットだけ食べるけど喜ばない」という症状でしたので、そういう症状の病気をヒットさせる事は出来ませんでした。
元気があって食欲もあってビスケットだけ食べるけど喜ばない。
何とも難しい病気です。

それが2、3日続いたものですから、念のため仕事が休みの土曜日に病院に連れて行くことにしました。
平日仕事に行っている間にもし急に具合が悪くなってはと危惧したのです。
何でもなければそれでいいですし、もし何かあってもこんなに元気なうちなら重症になる前に早く治す事が出来るだろうと、そう思っていました。
何かおかしいと病院に行って、「別に悪い所はありませんね。」と言われることは良くあることなのです。
「何でもなかろう」と素人判断をし、後で大参事になるようでは取り返しが付きません。
少々のお金がかかっても、大丈夫だった時には「良かったね♪」と、素直に喜んで終わりましょう。
お金と時間を惜しんで安心安全をおろそかにしてはいけないのです。

病院の先生には何と説明するか悩みましたが、「元気・食欲はありますが様子がおかしい。食いしん坊のくせにビスケットをあげても食べるけど喜ばない。煮干しは喜ぶのに。」と話し、モモを診てもらいました。
口の中、目の粘膜等を診た後、「貧血が見られます。血液検査とレントゲン検査をしたいのですがお時間大丈夫ですか?」と、言われました。
もちろん、モモのための時間とお金は大丈夫です。
安心安全を第一に、お金や時間は気にせずよろしくお願いいたしました。

よくこんな説明でアッサリと貧血を見抜いて下さったなと感心に思ったのですが、私がこんなものかと思った白い舌が、お医者様から見ればあからさまに貧血の症状だったのでしょう。
真っ先に舌と目の粘膜を診たお医者様には、パッと見で貧血くさいと分かったのでは無いかと思います。
「何だ、貧血か。犬が貧血?」なんてことを考えながら、検査結果が出るまで結構な時間を待つこととなり(診療が終わる時間近くに行ってしまったので先生には申し訳なかったです;;)、検査結果が出たと呼ばれて行くと、先生の顔は「何でもなかったです。ただの貧血です。」というような表情ではありませんでした。
「検査が足りないので断定は出来ないのですが、おそらく免疫介在性溶血性貧血だと思います。」と、言われました。
この病気の決定は、検査をしてくれる機関に血を送り、そこで免疫が悪さをしているかどうかを調べてもらってから確定するようですが、その日は土曜日で検査機関はお休みでした。
月曜日まで待ってもう一度採血をして検査をしてから治療でも良いですが、他の検査結果から十中八九、免疫介在性溶血性貧血で間違いないと、言われました。
急変することもある病気なので、確定は出来ませんがすぐに治療を始めることをおススメすると言われました。

【モモの血液検査結果】

Ht(赤血球の割合 基準値36.8~54.4) → 30%
TP(総蛋白 基準値5.0~7.1) → 7.0
赤血球(基準値557~798) → 383
白血球(基準値64~159) → 65
血小板(基準値186~547) → 160
GPT(肝機能 基準値17~78) → 87
ALP(肝機能 基準値47~333) → 247
こんなことになっていました。
赤字がよろしくない結果です。

聞いた事の無い病気。でも「貧血」だし。。と今一つ貧血の重大さが分からずポヤッとしている私に、
意を決した先生が「これは死ぬ病気です。」とキッパリ言い放ってくれました。
「!!!」
ビックリなんてものじゃありません。

幸いだったのは、発見が非常に早かったこと。
通常この病気で来院する子はこんなに良い(?)状態では無いとのことでした。
免疫介在性溶血性貧血の症状としては以下のものが上げられるようです。
  • 口や舌の色が白くなる
  • 元気が無くなる(散歩中に座り込む・よろけて倒れることもあるようです)
  • 疲れやすくなる(運動をしたがらない・すぐに息切れをする等)
  • 多飲・多尿
  • 嘔吐
  • 食欲低下
  • 黄疸
  • 尿が赤くなる
  • 心臓の音に雑音が入る
赤字はモモが該当したものです。
オヤツを選り好みするというのはありません。

そして以下の理由から、血液を詳しく検査する前に免疫介在性溶血性貧血で間違い無さそうだという診断でした。
  • タマネギ・薬物などは口にしていない
  • 白血球が正常値であることから内傷や外傷が原因では無いと思われる
  • レントゲン・触診では腫瘍は認められないためそれが原因の貧血では無いと思われる
  • 壊された赤血球が多く新しい小さな赤血球が多い(免疫が赤血球を破壊していると思われる)
  • 血液を分離した検査では溶血は認められなかったがおそらく初期のためでこれから出てくるのではないかと推測される
確定するにはクームステストというものをするらしいのですが(これで免疫の仕業かどうかが分かるようです)、これが検査機関がお休みで月曜まで待たないと出来ない検査です。
ただ、貧血になってはいるものの、ものすごく初期の段階のため今すぐ命がどうこうということは多分だけど無い。
月曜日まで待って検査してから治療してもいいですが、その場合は急変することもある病気なので、何かあったらすぐ病院に来て欲しい。
すぐにでも治療を始めたい理由としては、まず最初の治療として使う薬はステロイドになりますが、この薬の効果が出るまでにはタイムラグが発生してしまう。
遅ければ1週間くらかかってしまうこともある。
もしステロイドが効いてくれない場合、次の選択肢には免疫抑制剤(良くわかりませんが抗がん剤のようです)、輸血等がありますが、この間にどんどん状態が悪くなってしまい治療の効果が出る前に危険な状態になってしまうこともある。
輸血は合併症を起こす可能性や、血栓が出来てそれが詰まってしまい死に至る場合もあるので、決して安全な治療とは言えない。

私は少し悩みましたが、先生が詳しく検査の内容を説明してくれて、他の病気である確率の方が低そうだと理解出来ましたので、すぐに治療を始めてもらう方に決めました。

ステロイドは投与できる限界の最大量から始めるそうで、副作用がある薬だということは分かっているため「安心して」という気分にはなれませんでしたが、手遅れになるよりは早目にと、心を決めました。
ただ、この段階の私には、モモが命の危険にさらされるという予感が全くせず、
まだポヤッとしていました。
先生は私に本当に怖い病気だと一生懸命説明して下さるのですが、でもやっぱり「モモは大丈夫」な気がしていました。
当たっていて本当に良かったです。

だからと言って病院へ行くのをサボるとか、モモを普段通りに扱い病気に対して何もしないということではもちろんありません。
先生が「インターネットでこの病気を検索すると結構たくさん引っかかると思うのですが、あんまりいいこと書いてないでしょうから見ない方がいいかもしれません。。」とおっしゃいました。
そうは言われても、怖いものは見たくはありませんが、無知ほど罪深いものは無いと思うので、早速家に帰ってから何時間もネットでその病気を調べました。
確かに、、大変な病気でした。調べてみてビックリしました。
見かけたブログのほとんどが、急に元気が無くなり病院へ行き、その時すでにHtが20%前後で輸血から治療が始まりその甲斐なくというのが多かったです。
何と言っていいのか、…こっちの方が血の気が引いて貧血になりそうでした。

ステロイドを服用すると尿がものすごく増えてしまいます。本当にすごいんです。バケツをひっくり返したような量です。
ペットシーツを使う枚数は3倍くらいに激増し、一度に出る尿も大量、そのため捨てるゴミがものすごく重くなりました。
どうということもありませんが、豆知識として★
しばらくは3日おきに通院することになりました。

そして下記は3日後の検査結果です。

【モモの血液検査結果2】

3日後 初回
Ht(赤血球の割合 基準値36.8~54.4) 27% 30%
TP(総蛋白 基準値5.0~7.1) 7.4 7.1
赤血球(基準値557~798) 348 383
白血球(基準値64~159) 185 185
血小板(基準値186~547) 219 160
GPT(肝機能 基準値17~78) - 87
ALP(肝機能 基準値47~333) - 247
Htが下がっている。。ガッカリです。。。
先生が、1日1%ずつ下がっている計算になるから急な容体悪化は無さそうだけど、次回3日後、さらに下がるようなら輸血しましょうと言いました。
初回の検査では見られなかった溶血も、たしか2回目の検査から少しずつ出てきたような気がします。
血液を分離すると、下は真っ赤な液体で上は透明な液体となります。
溶血がある場合は上の透明な液体に赤というかオレンジというか、そういう色が付いてきます。

【モモの血液検査結果3】

5日後 2日後 初回
Ht(赤血球の割合 基準値36.8~54.4) 27.5% 27% 30%
TP(総蛋白 基準値5.0~7.1) 7.1 7.4 7.1
赤血球(基準値557~798) 332 348 383
白血球(基準値64~159) 224 185 185
血小板(基準値186~547) 317 219 160
GPT(肝機能 基準値17~78) 175 - 87
ALP(肝機能 基準値47~333) 1083 - 247
さらに3日後、なんと!Htが!!上昇してきました!!!
少しですが回復の兆しです。
ステロイドが効いてきたのかもしれません。
輸血はしないで様子を見ましょうと、先生も少しだけ喜んで下さいました。
予断を許さない状況にあることには全く変わりないようですが、私は「ほらやっぱり大丈夫だ!」と思ってしまいました。
ですが、肝臓の数値が上がってきています。
これは、ステロイドの副作用による異常というこもありますが、肝臓が頑張って働いているから数値が上がるということもあるそうで、数値が高いからと言って肝臓が悪いとは言い切れないようです。
基準値より高い値ではありますが、何か治療をしなければという段階でもないようで、肝臓は様子見となりました。
そしてまたさらに3日後。

【モモの血液検査結果4】

7日後 5日後 2日後 初回
Ht(赤血球の割合 基準値36.8~54.4) 29% 27.5% 27% 30%
TP(総蛋白 基準値5.0~7.1) 7.0 7.1 7.4 7.1
赤血球(基準値557~798) - 332 348 383
白血球(基準値64~159) - 224 185 185
血小板(基準値186~547) - 317 219 160
GPT(肝機能 基準値17~78) - 175 - 87
ALP(肝機能 基準値47~333) - 1083 - 247
モモすごいよ、モモすごいよ~♪えらいぞっ!嬉しいです!!
溶血は見られるものの、順調にHtが上がってきましのたで、3日おきはやめて次回の通院は1週間後となりました。
ただし、免疫はまだ赤血球を破壊し続けているようです。

本当は言われた通りに1週間後に病院へ行くつもりでしたが、貧血のモモのためにと買った食べ慣れない馬肉の缶詰が悪かったようで、、 激しい下痢になってしまい5日後に病院に行く羽目になりました。。
貧血に馬肉がいいって何かで見たのですが、、下痢をしては元も子もありません。。
(TT)ゴメンナサイ
前回から5日後の検査結果が↓です。

【モモの血液検査結果5】

12日後 7日後 5日後 2日後 初回
Ht(赤血球の割合 基準値36.8~54.4) 38% 29% 27.5% 27% 30%
TP(総蛋白 基準値5.0~7.1) 6.8 7.0 7.1 7.4 7.1
赤血球(基準値557~798) 424 - 332 348 383
白血球(基準値64~159) 153 - 224 185 185
血小板(基準値186~547) 38 - 317 219 160
GPT(肝機能 基準値17~78) - - 175 - 87
ALP(肝機能 基準値47~333) - - 1083 - 247
まだ赤血球は基準値に満たないものの、本当に順調に回復しています。
心臓の雑音もこの頃には消えていたと思います。
モモもすでに13歳、いい歳なので心臓が悪かったりすることも有るかなという心配も先生にはあったようですが、貧血改善と共に消えた雑音は、心臓の良し悪しには関係無かったようです。
貧血を起こしている時には心臓に雑音が入る事があるそうです。

ここまで来れば先生もやっと喜んで下さいました。
相変わらずの油断禁物は変わらないのですが、この病気で一度も危機を迎えずにここまで順調に回復するケースは非常に珍しいらしく、 何度も何度もそのことを私に伝えて下さいました。
おそらく、発見が早く貧血が酷くなる前に治療が始められたのが良かったのではないかとおっしゃっていました。
燃え盛るピークに達した火事を消すのは大変だけれど、ボヤならすぐ消すことが出来る。
そう分かりやすく表現して下さいました。

ですが、ステロイドの副作用がとうとう出始めてしまいました。。。

まず、多飲・多尿は薬を飲み始めた次の日からはもう始まってしまい、それは出るものと覚悟はしていたのですが、お散歩大好き元気モモが散歩をしなくなってしまったのです。
ご飯>おやつ>散歩 の順で好きだったのですが、全然歩かなくなってしまいました。
外には出ますが家の前でチョロチョロと用を足すだけで、
…本当にそれだけで、「もういい」と5分もたたず帰って来てしまうのです。。
貧血は治ってきているのに、逆に元気が無くなってきました。
通院時、そのことを先生に訴えましたが、ステロイドの副作用で無気力になったりすることもあるし、体調が悪く自分で運動をセーブしているのではないかとのことでした。

確かにステロイドの副作用は怖いものですが、この病気は、薬の副作用と命を天秤にかけるような治療しか出来ないと、先生はそう言っていました。
MAX量から始めたステロイドは少しずつ量を減らしていくのですが、急に止めることは出来ません。それはそれで大変な副作用が出てしまうからです。

あまり動かないモモなど今まで見たことがありませんから、私はこれまた大きなショックを受けることになったのでした。
事前にステロイドの副作用については散々ググって調べておきましたが、貧血よりも副作用の方が私はなんだか心配になってきました。
ステロイドの副作用には以下のようなものがあるようです。
  • 感染症(免疫を抑制するため体の抵抗力が落ちる)
  • 肝障害
  • 胃腸障害(下痢、嘔吐)
  • 多飲多尿
  • 多食
  • 副腎機能の低下(皮膚が薄くなる・脱毛等)
  • 浮腫、高血圧を招く低カリウム血症
  • 糖尿病の誘発
  • 骨格筋の筋力低下・萎縮
  • 医原性クッシング
赤字の部分はモモに現れた症状です。
よろしくないとされているのは、大量投与、少量の長期投与、急に投薬を中止すること。
がしかし、この病気では免疫機能を抑えるために最初に最大量のステロイドを投与する。
そして徐々に量を減らしながら続ける長期投与は避けられません。
この先少なくとも半年は続きます。
糖尿病とか、二度と治らないような病気を発症しなければいいのですが。。

たまたまかもしれませんが、モモはそういう病気を発症しませんでしたので、
同じ治療をしている方も希望を捨てないで下さいね。

そして発症からちょうど20日後。

【モモの血液検査結果6】

20日後 12日後 7日後 5日後 2日後 初回
Ht(赤血球の割合 基準値36.8~54.4) 46% 38% 29% 27.5% 27% 30%
TP(総蛋白 基準値5.0~7.1) 7.8 6.8 7.0 7.1 7.4 7.1
赤血球(基準値557~798) 493 424 - 332 348 383
白血球(基準値64~159) 114 153 - 224 185 185
血小板(基準値186~547) 137 38 - 317 219 160
GPT(肝機能 基準値17~78) 695 - - 175 - 87
ALP(肝機能 基準値47~333) 2320 - - 1083 - 247
肝臓の数値が右肩上がり、うなぎ上りです。
元気はどんどん無くなっていき、今まで一緒のベッドで寝ていたのに、自力では上がって来れなくなってしまいました。
ソファーの上にもあまり上がらなくなりました。
貧血が発覚するまではあんなに元気だったのに、きっと薬のせいなんですね。。
「あんまりたくさん薬を飲ませたくはないんだけど。。」とお医者さんは言うのですが、肝臓のお薬と、肝臓のサプリメント(シロップみたいなの)が追加になりました。
シロップは私からすると変なニオイのものでしたが、モモにとっては美味しかったようで、そのままでもペロペロと喜んで口にしていました。

そして約1か月と1週間後

【モモの血液検査結果7】

34日後 20日後 12日後 7日後 5日後 2日後 初回
Ht(赤血球の割合 基準値36.8~54.4) 47% 46% 38% 29% 27.5% 27% 30%
TP(総蛋白 基準値5.0~7.1) 8.0 7.8 6.8 7.0 7.1 7.4 7.1
赤血球(基準値557~798) 568 493 424 - 332 348 383
白血球(基準値64~159) 209 114 153 - 224 185 185
血小板(基準値186~547) 565 137 38 - 317 219 160
GPT(肝機能 基準値17~78) - 695 - - 175 - 87
ALP(肝機能 基準値47~333) - 2320 - - 1083 - 247
Htと赤血球は基準値に戻りました。
が、まだ溶血が見られることと、壊された赤血球と小さい新しい赤血球が多く見られるので、完全に免疫の攻撃が止まったとは言え無さそうです。
でもステロイドは少しずつ減らしています。
しかし元気はナカナカ戻りません。尿もスゴイ量でジョージョーです。ゴミ袋がすごく重たいです。

貧血は大丈夫なのですが、免疫力が下がったモモは、膀胱炎になってしまいました。
ある日ペットシーツに血が付いていたのでビックリし、あわてて病院に行くと「典型的な膀胱炎です」と言われました。
私は非常にショックを受けたのですが、先生にしてみたら「免疫介在性溶血性貧血のことを考えればこれくらい平気!」みたいな感じでした。

この後は、通院も2週間おきにとなり貧血はすっかり治まって、ただ肝臓の数値だけが悪くなっていくのですが、結果的にはこれも後々まで苦しむような副作用が出てしまうまでには至りませんでした。

私は、散歩をしなくなったモモの足がだんだん細くなっていくのがとても悲くて、
早くベッドに上ってきて一緒に寝て欲しいと思っていました。
ソファにも上ってもらって、一緒に寝そべって撫でながらテレビを見たいと思いました。

この時は3月ですから、私とモモの住む所はまだとても寒い普通の冬です。
普段なら、私が出掛けている時などは一人でベッドに入って温まっているのですが、それもしなくなってしまいました。
そのため冷えてはいけないと、早目にストーブのタイマーをセットしなるべく家の中を暖かくするようにしました。
これはもしかしたらフードが悪かったのかもしれませんが(下の方で詳しく書きます)、頻繁に下痢・軟便をするようになりました。

順調に回復していますので、日にちを少し飛ばして発症から約2ヵ月と20日後。
肝臓の数値だけ見ていきましょう。

【モモの血液検査結果11】

2ヵ月20日 20 5 初回
GPT(肝機能 基準値17~78) 1253 695 175 87
ALP(肝機能 基準値47~333) 4592 2320 1083 247
肝臓の数値、最高値を記録してしまいました。心底ガッカリです。
どれくらいガッカリしたかと言いますと、…すごくです。
すでに肝臓用の投薬もしているためこれ以上はやれることがありません。
ステロイドも減らしている途中なので、祈りながら様子を見るしかありません。
モモは相変わらず元気が戻りません。動かないので筋肉が落ち、足も細いまま。
ネットで調べると、ステロイドの副作用で筋肉が繊維のようになってしまい筋力が低下してしまうことがあるというのを見つけました。
でもステロイドを止めれば元に戻るようなので、早くその日が来るよう祈るばかりでした。
あぁ、、減らしていく割合は決まっているのでその日がいつかはもう決まっているのですが、小学校の頃の遠足よりも待ち遠しいです。
このままステロイドを減らし続けても貧血が再発しないようなら、その後は薬を止めるか、少量で飲み続けるかの選択となります。

この爆発的記録の後は徐々に肝臓の数値は下がっていき、4ヵ月が経つ頃にはめでたくも正常値に戻りました。
貧血の再発も無く、溶血も止まり、赤血球の破壊も無くなりました。
ただステロイドは、本当に徐々に減らしていくのでまだまだ飲み続ける事となります。

この先は貧血も肝臓も順調に回復していく一方となりましたので、血液検査の結果は割愛させて頂きますが、投薬が終わるまでには実に6ヵ月以上もかかりました。
最後に血液検査をしたのはこの年の8/30です。
一度も生命の危機が訪れる事も無く、このように回復出来たのは本当に稀のようで、モモの先生は「正直言うとこんなケースは初めてです。」と、おっしゃっていました。

さて、ステロイドを完全に絶つか、微々でも飲み続けるかの選択ですが、先生も私も「大丈夫な気がする」と意見が一致し、きっぱり止めることにしました。
少量でも長く飲み続けるのはやはり副作用が心配ですし、2択で考えましたが、

①続ける = 再発しないとは限らない。副作用は出るかもしれない。
②止める = 再発しないとは限らない。副作用無い。

私は②の方がいいと思いました。
だって、一生再発しないかもしれません。
もし再発した時には1度目ほど薬の効果が出ないかもしれないというお話しも聞きましたが、やはり、モモは大丈夫な気がします。
ただのカンなので分かりませんが、大丈夫な気がします。

完全にステロイドを絶ってからも、モモは下痢・軟便が続き、結構病院通いが続きました。
散歩は完全復活を遂げましたが、腸の調子が今一つです。
下痢止めの薬をもらい貯めしておき、調子が悪くなったら飲ませる生活が続きます。
この年、いったい何回家の中のウ○コ掃除をしたか覚えていません。
長年使っていたカーペットとはサヨナラをしました。

そこで、今まで食べさせていたドッグフードを一つ止めてみる事にしました。
無添加・無着色・質の良い材料を使っているものを選び2種類のドッグフードをローテーションしていたのですが、そのうちの一つを食べさせた時の方がゆるくなることが多い気がしましたので、そっちを止めてみることにしました。
先生曰く「もしかしたらアレルギーがあるのかもしれません。免疫の病気をしたので体質が変わったということも考えられなくも無いかもしれません。」とのことです。
止めた方のフードには米ヌカが入っていて、これが結構ゆるくなる原因になるということもネットで見ましたので、もしかするとと思い止めてみました。
変なフードでは無いと思うのですが、、そこのフードはラムでもチキンでもビーフでもレトルトでも、食べさせると必ずお腹がゆるくなるので、特定の肉によるアレルギーでは無さそうです。買いだめしていたフードは仕方なく返品させて頂きました。
お店には申し訳なかったのですが、買ったばっかりだったので快く返品にも応じて下さいました。

それと、酵素を始めました!
これがモモには劇的に良かったのですが、スパイラルエンザイム酵素野菜ペーストです。
結果、今ではすっかりいいウ○コになりまして、下痢・軟便ともきっぱりお別れすることが出来ました♪♪♪
実はそれだけではなく、今までより元気も良くなったのです。
酵素は食べてもあまり効果が無いようなことも言われていますので、もしかしたら酵素自体ではなく発酵した野菜が良かったということかもしれませんが、何にせよ良い効果が現れたことは確かです。 

病気が寛解(あくまでも完治とは言わない)しただけでも嬉しいのに、さらに元気になりパワーアップしてくれました。
こんなに嬉しい事が今までの私の人生にあったでしょうか?いえ、ありません。

この先この病気が再発するかしないかは、一生が終わってみなければ分かりません。
私にはビクビクする生活が続きます。
モモには生きている限りは元気で快適な生活を送ってもらいたいと思いますので、舌の色は毎日チェックです。身体もあちこち触ってチェックします。
長生きに越したことはありませんが、それよりも質の良い生活を送って幸せに暮らしてもらいたいのです。
自分もそのように生きたいです。

2014年4月現在。
もうすぐ5月になり発症から1年以上になりますが、再発する兆しは全くありません。
今後この話題を更新する事が無いよう祈りながら、これからもモモと仲良く過ごしていきます。

Momo's Episodeモモのエピソード


モモとの暮らしは宝物。
犬とはこんなに知恵のある生き物
だったのかという驚きと、
犬とはこんなに色んなことを感じて考える
生き物だったのかという感動と、
病気やトラブルの経験談などをお伝えしたいです。

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